お酒の強い弱いを決める遺伝的要因とは?
まず知っておくべき基礎知識として、日本人などのモンゴロイド(黄色人種)には、生まれつきお酒に弱い人が一定数います。
人間の体内には、お酒を飲むと発生する有害物質アセドアルデヒドを分解するALDH2という酵素があります。
しかし黄色人種はこのALDH2が正常に働く活性型が全体の56%に対し、16分の1しか働かない低活性型が40%、まったく働かない不活性型が4%いるといわれます。
活性型はいわゆるお酒に強い人ですが、低活性型は飲めるが弱い、少し飲める人。不活性型は一滴も飲めない人になります。
この体質は遺伝的に決まり、生涯、変化することはありません。
お酒は飲み続ければ強くなるとの説もありますが、それは元々、ALDH2が働く体質ながら、その他の要因でお酒が苦手だった人が、飲み慣れてきただけにすぎません。
低活性型、不活性型の人が劇的にお酒に強くなることは決してないので注意してください。
自分のお酒の強さを確かめる方法は?
実際にお酒を飲まず自身のアルコール耐性を確認する方法として、エタノール・パッチテストがあります。
これは少量のガーゼに70%の消毒用アルコールをしみこませ、テープで上腕部の皮膚がやわらかい部分に貼ります。
これを7分おいて一度はがし、皮膚の色を確認します。またそこからあらためて10分貼り、再度、皮膚の色を確認します。
これで貼った部分が赤く変化していればアルコールに弱い体質、変化がなければ強い体質だと判断できます。
皮膚が赤くなるのはアセドアルデヒドが分解されていない証拠で、赤くなった皮膚が時間をおいても回復しないのは、ALDH2が働いていない証拠と考えられます。
このALDH2の働き以外で、お酒の強い弱いを決める要因には体質や体重、筋肉と死亡の量、年齢、アルコールアレルギーなどがあります。
まずは自分がどの程度アルコールに耐性があるか、体質を把握しておくことが重要です。